対馬北部を巡る旅は、上県町佐護(さご)からスタートしました。
対馬の中でも自然豊かな佐護周辺には、美しい海や山々が広がっています。そして今回の目的地は、山の中腹にある「異国の見える丘展望台」と、そのさらに上にそびえる巨大な風車です。
韓国まで約50kmという国境の島・対馬ならではの景色を求めて、車で山道を進みました。
途中では野生の鹿にも遭遇し、車一台がようやく通れるほどの細い旧道も走行。
そして最後には、下から見上げても収まりきらないほど巨大な風車が待っていました。
今回は、佐護から千俵蒔山を巡った上対馬のドライブ旅を紹介します。

佐護港からも見えた千俵蒔山の巨大風車
佐護の港付近まで来ると、遠くの山の上に大きな風車が見えていました。
かなり離れているにもかかわらず、プロペラがゆっくりと回転していることがわかるほどの存在感です。
「この距離から見てもこれだけ大きいなら、真下まで行ったらどれほどの大きさなんだろう?」
そんな期待を抱きながら、今回の目的地へ向かうことにしました。
この風車があるのが、上県町佐護にそびえる千俵蒔山(せんびょうまきやま)です。
千俵蒔山は標高約287mの山で、「井口岳」という別名もあります。海から見ると特に目立つ山であり、古くから朝鮮海峡を航行する船の目印となっていたとも伝えられています。
実際に佐護から眺めてみても、周囲の景色の中でひときわ印象に残る山でした。

遠くから見える風車と、これから向かう展望台。
この時点では、まさか山の上であれほどスリルのある道を走ることになるとは思っていませんでした。
佐護から異国の見える丘展望台へ!道中では野生の鹿に遭遇
佐護を出発し、最初に向かったのは「異国の見える丘展望台」です。
展望台は千俵蒔山周辺の高台にあります。
山道を進むため、対馬らしい自然豊かな景色が続きます。
そして佐護周辺では、野生の鹿にも遭遇しました。
公園付近には複数の鹿の姿があり、のんびりと過ごしている様子を見ることができます。
しかし、かわいらしい光景に癒やされていたのも束の間。
車で走行していると、今度は子鹿が突然道路へ飛び出してきました。
思わずヒヤッとする場面でしたが、対馬をドライブする際には野生動物との遭遇も珍しくありません。
特に山道や自然豊かな地域を走る際は、スピードを出しすぎず、いつ動物が飛び出してきても対応できるよう注意が必要だと改めて感じました。
秘境のような場所なのに観光客も!異国の見える丘展望台
山道を進み、到着したのが今回最初の目的地「異国の見える丘展望台」です。
この展望台は、壱岐対馬国定公園に指定されている千俵蒔山周辺にあり、朝鮮海峡へ突き出すような場所に設置されています。韓国・釜山市まで約50kmという距離に位置しており、条件が良ければ海の向こうに釜山の街並みを見ることができるそうです。
周辺はかなり山深く、「本当に観光客が来るのかな?」と思うような場所でした。
しかし、到着してみると他の観光客の姿もありました。
やはり対馬を訪れたら、この国境の島ならではの景色を見てみたいと思う人が多いのかもしれません。


展望台は2階建て!望遠鏡から上対馬の景色を一望
展望台は1階と2階に分かれています。
2階へ上がると、望遠鏡や上対馬周辺の地図が設置されていました。
まずは、どこに何があるのかを地図で確認。
そして外を見ると、そこにはどこまでも広がる海がありました。

高い場所から眺める対馬海峡は、まさに一望千里。
視界を遮るものがほとんどなく、海と空、そして遠くに連なる山々を一度に見渡すことができます。
この日は決して天気が悪かったわけではありません。
青空も見えており、海も十分に美しかったのですが、残念ながら韓国・釜山の姿を確認することはできませんでした。
韓国まで約50kmという距離ですが、実際にその姿を見るためには、空気の澄み具合など、さまざまな条件が必要なのでしょう。
「晴れている=必ず韓国が見える」というわけではないようです。
それでも、海の向こうに韓国があるという事実を知りながら景色を眺めるだけでも、普段とは違った不思議な感覚を味わうことができました。
いつか条件の良い日に再訪し、実際に釜山の街並みを見てみたいと思います。
崖の上に突き出すように建てられた展望台
2階から景色を楽しんだ後、1階へ降りて建物の周辺を見てみました。
そこで改めて驚いたのが、展望台の立地です。
下を覗き込むと、この展望台が崖の上から海側へ張り出すように建てられていることがわかりました。
かなりの高さがあり、下を見れば少し足がすくむほど。
展望台から見る景色だけではなく、「こんな場所に建てられている」という建物そのものにも驚かされました。
海に突き出すような場所から朝鮮海峡を眺められる。
異国の見える丘展望台は、対馬が国境の島であることを実感できる場所でした。
展望台から巨大風車の真下へ!旧道を走るスリル満点のドライブ
異国の見える丘展望台を楽しんだ後は、いよいよ山の上にある巨大な風車を目指します。
展望台からそのまま風車へ向かうことにしましたが、ここからが今回の旅で最もスリルを感じた場面でした。
風車へ向かうため、旧道らしき細い道へ入ります。
しかし、その道幅はほとんど車一台分。
対向車が来たらどうするんだろうと思うほどの狭さでした。

もちろん、途中にはすれ違うための場所も限られています。
「どうか対向車が来ませんように」
そう思いながら、慎重に車を走らせました。
道沿いにはカーブミラーも設置されていましたが、中には地面に近い位置に置かれたようなものもあり、一般的な観光道路とは少し違った雰囲気です。
ドライブ好きの人にとっては印象に残る道かもしれませんが、運転に慣れていない人には少し緊張するルートだと感じました。
訪れる際には、周囲の状況を確認しながら慎重に運転することをおすすめします。
山道の先に現れた木製の案内看板
細い山道を進んでいくと、途中で木製の案内看板を発見しました。
「もうすぐ目的地なのかな?」
そう思いながらさらに進むと、木々の向こうに巨大な風車が姿を現しました。

遠くの佐護から見た時点でも十分に大きく見えていましたが、近づいてみるとその印象はまったく違います。
遠くから見る風車と、真下から見上げる風車。
同じものでも、これほど迫力が変わるのかと驚かされました。
真下から見上げる巨大風車!写真に収まらないほどの迫力
ついに巨大な風車の真下へ到着しました。
車を停めて見上げると、その大きさに圧倒されます。

真下から見ると、ブレードの先端まで写真に収めるのも難しいほど。
近くで見る風車は、佐護から眺めていた時とはまったく別物のような迫力がありました。
しかも、この巨大なブレードが実際に回転しています。
ゆっくりと回っているように見えても、その巨大さを考えるとかなりの迫力です。
あまりに大きいため、思わず「もし何か落ちてきたら……」などと考えてしまうほどでした。

遠くから風車全体を撮影しようともしましたが、近すぎるため画角に収まりません。
だからこそ、最初に佐護から遠景を撮影しておいて正解でした。
この記事の中でも、
佐護から見た遠くの風車

そして、
真下から見上げた巨大な風車

を比較して見ると、その大きさがより伝わると思います。
かつての設備が残る千俵蒔山
風車周辺には、現在は使われていないと思われる設備も残されていました。
現地には複数の設備跡があり、以前は何らかの情報を表示していたのではないかと思わせる場所もあります。
現在と過去の設備が混在しているような独特の雰囲気も、この場所の印象に残りました。
ただの展望スポットではなく、実際に巨大な風車を間近で見られる場所。
そして山の上から対馬の自然を見渡せる場所。
千俵蒔山周辺には、一般的な観光地とは少し違った魅力があります。
大自然に抱かれた上対馬の絶景
風車だけではありません。
千俵蒔山周辺に広がる景色そのものも、今回の旅の大きな魅力でした。

山を登り、細い道を進み、展望台から海を眺める。
そして最後には巨大な風車を真下から見上げる。
短い距離の中に、さまざまな景色と体験が詰まっていました。
対馬には有名な観光地が数多くありますが、少し山道へ入るだけで、まだまだ知られていないような絶景に出会えるのも魅力です。
今回の佐護から千俵蒔山を巡る旅は、まさにそんな対馬らしい一日になりました。
佐護から千俵蒔山を巡ってみて
今回のルートは、
佐護周辺を出発
↓
異国の見える丘展望台
↓
千俵蒔山の巨大風車
という流れでした。
途中では野生の鹿に遭遇し、海を見渡せる展望台へ。
さらに細い山道を走った先には、巨大な風車が待っていました。
観光地を一か所だけ訪れる旅とは違い、移動中にも対馬の自然を感じられるルートです。
特に印象に残ったのは、異国の見える丘展望台から眺めた広大な海と、巨大風車を真下から見上げた時の迫力でした。
晴れた日には韓国・釜山の街並みが見えることもあるという異国の見える丘展望台。
そして、佐護からも確認できるほど存在感のある千俵蒔山の風車。
上対馬をドライブするなら、ぜひ立ち寄ってみたい絶景スポットです。
次回は、さらに北へ向かい、対馬の国境の島らしさを感じられるスポットを巡ります。